店頭などで最近よく見かけるようになったオーガニック・自然派化粧品についてどの程度ご存じでしょうか?オーガニックの一般的なイメージと実際の内容物との違い、定義や実態について記載いたします。
オーガニック・自然派化粧品の一般的なイメージ
「オーガニック化粧品」といわれて何を連想しますでしょうか?植物エキスだけを使用している!防腐剤や化学成分は使用されていない!などなど、様々あるかと思います。
オーガニックの言葉の定義を検索すると「有機栽培によること」と出てきました。つまり農薬や化成肥料を使用せずに栽培された植物のことを指します。
化粧品に使用する際にはオーガニック植物のエキスを抽出し使用することになるのですがそこで製造側と消費者側での矛盾が生じているかと思います。化粧品は植物エキスだけで構成されているわけではないからです。
自然派化粧品も同様に植物以外の原料は使用されていないとイメージされていることが多いと思います。
化粧品を作り上げるうえで大事な話
化粧水の処方を作ることを前提に考えてみましょう。オーガニック植物エキスだけで作り上げることを考えた場合、様々な問題が起こりえます。
- 保湿力
- テクスチャー
- 価格
- 防腐効果
まず、保湿力とテクスチャーについてですがアロエなどの粘性のある植物を使うことで粘性を上げることは可能です。しかし、水と混ぜることを前提に考えるとかなりの量を配合する必要がありますし、価格の面でもつながってきます。(植物エキスは高価なものが多いです)
そして、製造者が最も気を付けていることは防腐効果です。アットモアでも過去にお客様からの依頼を受け、植物エキスだけで化粧水を作ったことがあります。製品化まで至らなかったのですが、ふと気が付きサンプル瓶を確認してみると瓶の中でコロニー(菌の集合体)が発生していました。もちろん、製品製造時には滅菌された原料を使用していますし製造も加熱工程がありますので滅菌はされています。
しかし、それでも空気中や容器に付着している僅かな菌が化粧水の中で増殖し3か月も経つと目に見えて菌が沸いています。
(ちなみに自動販売機で買える水でも消費期限は半年ほどかと思います)
抗菌効果のある植物を使用することである程度の防腐効果を持たせることも可能なようですが化粧品の保管期限3年を前提として考えると不安が大きいところです。
最悪な場合
人の皮膚は頑丈に作られていますのでちょっとのことでは問題にはなりません。しかし、粘膜に菌を塗るということはかなりのリスクが想定されます。防腐効果があまい化粧品を使用したことにより失明した事例もあります。
認証制度について
COSMOS認証
オーガニック化粧品の認証制度は様々ありますが代表的なものにCOSMOS認証があげられるかと思います。
COSMOS ORGANI認証の基本原則は以下のようになっています。
- ・有機農業で生産された製品の使用を促進し、生物多様性を尊重する
- ・天然資源を責任を持って使用し、環境を尊重する
- ・清潔で人の健康と環境に配慮した加工、製造を行う
※2 COSMOS-standard(Version 3.1)
これだけ見るとオーガニック植物エキスだけを用いた化粧品作りをすることが可能なようにも受け止められます。
しかし、実態としては最低20%のオーガニック植物エキスを使用していれば問題ないですし5%以下であれば植物由来でない原料も使用することができます。もちろん、使用禁止な原料もありますがオーガニック化粧品といわれるものであっても植物由来以外の原料でも使用可能です。
ISO16128
オーガニック化粧品や自然派コスメにはCOSMOS認証とは別にISO16128という考え方があります。これは自然由来指数という化粧品の中に自然由来の原料がどれだけ入っているかを表す指標になっています。記載されていない化粧品も多いですが目安としては自然由来指数が90%以上の化粧品を探されるとよいのではと思います。
アットモアのマンジェリコン化粧品について
アットモアでは沖縄の農家と連携し、やんばる(沖縄の北部地域)でJAS取得したマンジェリコンを栽培しています。マンジェリコンは抗酸化、抗糖化としてサプリメントとしても販売しておりますが、この度、化粧品原料としても販売を開始いたしました。
近年、肌に対しての抗糖化も期待されており、シワ、シミ、くすみ(鎮静)、エモリエント効果が期待できる原料となっております。
マンジェリコンを使用した化粧品についてはこちらをご確認ください。